『ザ・ヴァージン クイーン』〈第一・二話〉


〈第一話〉序章

 

「我は神より使われし使者ー」

 

急襲ー

あたりは地獄絵図と化した。

金色に輝く“最強モード”を発動した一体が、そこにいた全てを喰い尽くし始めたー

 

銀河系を遠く離れ、外惑星を探索するスペースコロニー通称“ハニーヘブンズ”。

魔導生命体と呼ばれる種族が、あらたに移住する惑星(ほし)を探すため、故郷を旅立ち早くも四半世紀が過ぎようとしていたー

 

ジガバチアーマー部隊は、主に情報収集や調査、索敵を行うチームである。

なかでもとりわけ好奇心旺盛な機体、コードネーム“イザベラ”はその日の異変に最初に気付いた。

 

「何か変だわ、いつもと違うー」

 

小惑星帯“アストロイドベルト”を航海中、コロニーの外装に大きな小惑星がぶつかり、機体の一部に亀裂が走ったことで現状の調査をしていた。

 

 

その事件は、そこから約一時間後に発生したー

 

ちょうど、小惑星帯に位置するとても大きくて暗い小惑星イソルダが、コロニーの真横を通り過ぎたとき、

魔導空間が揺らぎ始めたかのようにみられた。数値ではほんのわずかの変化を確認できたが、視覚的に認識できたものはいなかった。

 

 “トリスタン”はジガバチチームの中で、攻撃能力がズバ抜けて高く、リーダーシップもあり後輩にも慕われていたー

そのことが発見を遅らせた理由でもあり、結果、チームは壊滅状態となったのだ。

 

コードネーム“トリスタン”は“最強モード”を発動し、視界に入る仲間達を全て攻撃した。

仲間達は、状況の把握も出来ないまま機能停止に追いやられて行いく。

 

“イザベラ”はひとり、物陰に隠れやり過ごしていた。

 

「このままでは、エリア“Y(イプシロン)”に侵攻するッ!」

「いくら彼らでも、奇襲攻撃を受けたらひとたまりも無いッ!!」

「連絡を入れないとー」

 

エリア“Y(イプシロン)”とは、攻撃専門のヤシガニアーマーの部隊(チーム)が所属するエリアだ。

ちなみに、ジガバチアーマーの所属するエリアは、エリア“J(イオタ)”である。

 

 

 

〈第二話〉開墾

 

コロニーの直径は約1kmー

エリア“Y(イプシロン)”から、エリア“J(イオタ)”までの距離は直線で400m。

 

“イザベラ”は、なんとかエリア“Y(イプシロン)”に連絡を試みるが、無線コードに障害が発生している為、直接向かうことにした。

 

コードネーム“ジョゼフィーン”は、“イザベラ”とシンクロ率が高いヤシガニアーマーで、

魔導力充填エリアで出会っては、ふたりで新天地への夢に胸を踊らせていたものだ。

 

向かう途中、コロニーに大きな亀裂が入っているのを確認した。

そこには、コロニーマップにはない表記の入ったエリアが見られた。

 

「あの部屋は何かしらー」

「初めてみるコード」

「“Q”?」

 

“イザベラ”は、配管口からエリア“Y(イプシロン)”にいち早く侵入し、“ジョゼフィーン”とそこにいたチームメンバーに、ことの経緯を説明した。

 

直後ー

扉に轟音が鳴り響く。

 

最強モードの“トリスタン”が姿を現した。

 

「“最強モード”を3分以上も維持しているなんて、ありえないッ!」

 

 

ヤシガニ部隊は、ツーマンセルが6組で成り立つー

 

さすがに攻撃専門の部隊となら、相手にならないであろうと“イザベラ”は考えていた。

“敵”とみなされたターゲットには、容赦ない攻撃を繰り出す。

 

ヤシガニ部隊の攻撃方法は、こうだー

近距離、中距離、遠距離と3つの役割でヒットアンドウェイを繰り返し、ターゲットの体力をギリギリまで減らし、最後に磨き抜かれた“光り物”によって近距離でとどめを刺す。

 

“イザベラ”は“トリスタン”の様子を見ていたー

“最強モード”を維持させる魔導力が、常に供給される原因が何なのか

“トリスタン”の異常な行動に原因があるのかどうかー

 

「まずいッ!みんな下がってーッ!」

 

“イザベラ”の索敵能力が『危機』を叫んだ。

 

瞬間ー

近距離にいた4機のヤシガニから、生命反応が消えた。

 

光に包まれた“トリスタン”の外部装甲が展開ー

パーツ配列の再構築が始まり、光の中からはゴールドのアーキタイプが

姿を見せる。瞬く間にパーツ構成が組み合わさり、人型の機体に再構築が完了された。

 

「あの機体は、いったいッ!?」

 



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